― Web Technology and Life ―

継続的なサービスと事業構築について~プラットフォームとかスキームとか~

2012-10-13
『しくみづくりイノベーション』という本を読んだときのメモを、つらつらと。なんか新規でウェブサービスを作りたいって思っている人には、是非読んで頂いていろいろと議論したいテーマが盛り沢山です。

持続可能な事業とはなんだろう?

あるサービスや商品が事業とかいうレイヤーになるには、一定の継続可能性が必要となるけれど、一つの商品をどこまで継続的に販売できるかどうかというのはなかなかわかりません。商品レイヤーだと、一度作って、ある程度の人々に販売したら、基本的にはそのひとつの商品はライフサイクルを終えるのが普通だと思います。事業と言えるには、一つの商品の派生系やそれに類似するものを複数回ライフサイクルを回し続けられる可能性が必要となるでしょう。

普遍的に事業というものはそういうものであるはずですが、変化の早い現代社会やことインターネット、ウェブビジネスでは、なかなか事業になるようなサービスを構築するのは難しいですよね。新しいイノベーションが出続け、ユーザーは次々と新しい何かに移っています。このような環境下で、どのように新規事業を構築すれば一定の持続可能性を担保できるか、恐らく『しくみづくりイノベーション』はこのような問いに対する一つの回答案なんだろうと思います。

マーケティング・ドリブン・ビジネス・デザイン(MDBD)という発想

『しくみづくりイノベーション』における継続的に利益を上げる新規事業を構築する手法として挙げられているのが、マーケティング・ドリブン・ビジネス・デザイン(MDBD)です。

詳細な定義等は本書を参考にしてもらいたいですが、ここではこの手法の紹介のパートで述べられているキーワードを列記します。

  • マーケティング
  • イノベーション
  • 再構築
  • 収益

マーケット(今いる顧客)ではなくマーケティング(今後創造される顧客との関係)を対象とすることや、ただ商品をだすためのSTPや4Pのようなマーケティングではなく様々な環境を再構築するイノベーションとなるようなマーケティングをするという点など、とても示唆に富むような発想だと思います。

持続可能なサービスの構築プロセスとはなんだろう?~MDBDの具体的なプロセスについて思ったこと~

『しくみづくりイノベーション』では、MDBDの具体的なプロセスとして、

  • ターゲティング
  • ポジショニング
  • メイキング

が挙げられており、さらにそのプロセスを進めていく上での適性のある人材についても触れられてます。人材の適正に関してはなるほどなと思ったのですが、プロセスにいささか今後の文献を期待したいところです。

まず、名称についてですが、ターゲティングとポジショニングが旧態のマーケティング手法と同じある点、メイキングが双方的なイメージを喚起しない点でちょっといまひとつな感があります。

次に、様々な観点があるとは思いますが、ターゲティングというプロセスは、本書で私がうけたMDBDの印象からすると、プラットフォーム型のビジネスに特に影響を受けていると思われることから、ギャザリング(様々なニーズを集める)というフェーズと、ファインディング(様々なニーズから組み合わせ可能な異なるニーズを発見すること)というフェーズに、わけたほうがよりピントがはっきりするのかなという印象です。特に、本書において、ターゲティングのフェーズでは、ビックデータの解析とエスノグラフィーという手法が紹介されているのにとどまり、とくにそれがMDBDと密接に結びついた特殊な手法な印象を受けないような内容で、このあたりは、本書を参考に読者(社会人)が日々の実践から自ら導き出さなくていけないところかなと思いました。この点は、メイキングのプロセスも同様です。

最後に、個人的なイメージをまとめると以下のようになるんじゃないかなーと思います。

  • gathering
  • finding
  • relating
  • design
  • transaction

詳細はもやっとしているので雰囲気で感じ取って見て頂くとして、ポジショニングについても良い感じの利益を稼ぐような場所を見つけたり、立ち位置につくために、その間に様々な調整的なやりとりをする必要があると思うんです。市場調査したり、パートナー企業の様子を伺ったりすると思うんですが、例えば、「こんな商品あったらおもしろくない?」と顧客となるような友人や家族と喋ったり、「いま、○○って企画考えていて、こんなふうに思っているんですが、これってなんか御社の○○ってのと組み合わせるとうまくいきそうな気もするんですよねー」みたいな提案ともなんとも言えない会話を他社の人間としたり。

最後にもやっと~プラットフォームとなるには~

プラットフォーム(マーケット)は、2つ以上のニーズを組み合わせてなりたつやりとりの土台で、実はその背後に利益を上げるプラットフォーマーがいるというのが、ぼくのイメージです。

いろいろやって調べて最終的にプラットフォームがデザインできるのは、なかなかよくわからないことが多いなーというのが印象ですが、成功しているウェブサービスをみると、最終的には、必ずこのプラットフォーム発想に当てはめて考えることができて、それゆえに、『しくみづくりイノベーション』のテーマはとても興味深い内容となっています。すぐに答えは出ないと思いますが、ウェブサービスをつくる一助にはなるでしょう。

ビジネススキル update_at : 2012-10-21T17:47:52
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